2014S 住宅本
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家づくり 知っておきたい基礎知識 家を建てるには原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接している土地」であることが建設の条件。道路が4m未満の場合、不足分は宅地から削られることになります。電気・水道は引かれているのか、また引き込みが可能なのか、農地の場合は宅地に転用できるのかの確認も必要です。家が建てられる土地なのか? 土地には用途を大まかに定めた用途地域指定がなされていて、全部で13区分されています。それぞれ建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)、容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)、住宅中心か、マンション・オフィスビル・店舗・遊戯施設などが建設可能かなどが分かります。用途地域によって家の大きさを考えたり、将来の周辺環境を推測したりできます。用途地域は何に該当? そこにどのようなマイホームを建て、どういったライフプランで生活するのか。将来設計も含めたイメージを持ち、そのイメージに合った生活環境の場所を探すことが土地選びには大切です。小中学校等の教育施設やスーパー、金融機関や医療機関など毎日の通勤・通学・買い物の利便性や、公園など休日の活動圏・生活圏にも気を配り、家族全員で話し合いましょう。家族を取り巻く生活環境は? 快適な住まいには、日当たりと風通しのよいことが必須条件です。日当たりや風通しを考えると、「東と南が道路になった角地で、東西に長い土地」が住宅地として理想的だといわれますが、価格が高くなります。多少条件が悪くても建物の配置や設計で改善できるので、ベストでなくてもベターな土地を探しましょう。斜面の場合、緩い南下がり斜面や南東下がりの斜面が日照・通風からも理想的です。日当たりや風通しは? 後方が崖や山だったり、切り取り地・盛土地・川の近く・軟弱地盤などの場合、大雨などによる鉄砲水・山崩れ・土砂崩れ・洪水・地震などの災害に対して安全かどうか要注意です。地盤や自然災害などの履歴は自治体で公開しているので、事前に確認しておきましょう。地質や土壌、埋設物などについても確認する必要があります。地盤が緩いと欠陥住宅の原因となり、酸性土壌や残留重金属などがあとから発見されるケースもあります。地盤はしっかりしているか? 土地探しは、できれば設計の分かる人と一緒に行きたいものです。自分たちで行く場合、気に入った土地が見つかったら一度だけで済ませずに何度も足を運んでチェックしましょう。できるだけ平日で雨の日に電車やバスで行き、自分の目と足で確かめてみることをお勧めします。平日だと近隣の工場操業などに伴う騒音や臭いなど、雨の日だと敷地や道路の排水状況、電車やバスだと交通の便や交通量などが分かります。何度も訪ねてみるどんな工程があるの? 家づくりは、単に住むための器づくりではなく、これから先の家族の暮らしの夢を実現する環境をつくるということ。家族の10年、20年先の生活スタイルの変化を予測しながら、間取りや外観などのイメージをつくっていきます。その際、今住んでいる家への不満を書き出してみるのも新しい家づくりのヒントになります。またプロが設計する際の参考になるはずです。・新しい住まいの イメージづくり マイホームのイメージをより具体化する際に参考になるのが、住宅情報誌やパンフレット、インターネット、住宅展示場、オープンハウス見学会などから得られる情報。実際に家を建てた人から失敗談や成功談を聞くのも大いに参考になります。土地探しでは、法的規制や敷地調査だけでなく、生活を始めたと仮定して周辺状況もチェックしましょう。・家・土地の 情報収集 家づくりで最も重要なのが資金計画。年収・貯蓄等を考慮して毎月どれくらいの額のローン返済が可能かを試算。同時に家づくりにかかる総費用を計算し、果たして返済可能なのかどうかをチェックし、プランや返済方法を調整します。子どもの教育資金を最優先に考えるとともに、無理のない返済方法を選びたいですね。総費用には建築費以外の各種諸費用が意外とかかることもお忘れなく。・資金計画を 立てる 依頼先は大きく分けてハウスメーカー・工務店・建築設計事務所(建築家)の3者が検討の対象になります。依頼先候補を3~4社に絞り込み、こちらのイメージや要望を伝え、基本設計と概算見積もりを提案してもらいましょう。金額だけでなく希望に沿ったプランかどうか、お互いに信頼関係を結べるところかなどを比較検討して決めましょう。選定から外れた会社には丁重に断りをするのがマナーです。・依頼先の 決定 最終候補を1社に絞り込んだら、設備仕様なども盛り込んだ詳細な実施設計と本見積もりを提出してもらい、疑問点はきちっと詰め、納得した上で工事請負契約を締結します。その際に契約条件・スケジュールの確認・追加工事費は必要か・建物の保証制度などをしっかりチェックしましょう。具体的な建物が確定すると役所へ建築確認申請を提出しますが、申請は依頼先が代行してくれます。・工事請負 契約 住宅ローンの融資申し込みの手続きを進めていた金融機関に、必要な書類を添付して融資を申し込みます。借入申込書のほか、印鑑証明書・住民票謄本・団体信用生命保険申込書・不動産登記簿謄本など提出書類は多いので、事前に依頼先や金融機関の担当者に確認して準備しておきましょう。・住宅ローン 申し込み いよいよ着工ですが、その前に地縄張りと地鎮祭が行われます。地縄張りでは、敷地に建物の外周に沿って設計図通りに縄を張り、隣家や道路との位置関係を把握します。工事の安全・家族の末長い繁栄を土地の神様にお願いする地鎮祭では、神主さんへのお礼やお供え物を用意します。地縄張り・地鎮祭ともに必ず立ち会いましょう。工事期間中は迷惑をかけるので着工前に手土産を用意して近所へのあいさつもお忘れなく。・地鎮祭・ 着工 柱・桁・梁などの家の骨組みが完成し、一番高いところに棟木が組まれたら上棟式を行います。それまでの工事の無事に感謝するとともに、その後の工事の安全を祈願するためのもので、建て主らが屋根の上から餅や紙に包んだお金をまいていきます。・上棟式 上棟式の後、屋根・外壁工事、設備・室内造作工事が済むといよいよ完成です。設計担当者・工事担当者・建て主の3者が立ち会って、設計図通りか最終チェックをします。不具合があればはっきりと指摘して対応してもらいましょう。役所に工事完了届を提出し、完了検査が行われると検査済証が交付されます。依頼先から住宅の保証書など必要書類とカギが渡され、新居が引き渡されます。・竣工検査・ 引き渡し    建物が完成すると工事代金の残額を支払います。引越しに際しては業者数社から見積もりを取って検討することをお勧めします。新居に引っ越したら、末長いお付き合いのために近所へのあいさつを。家族全員で伺うのがベストです。ガス・水道など生活に必要な手続き、建物表記登記、所有権保存登記、抵当権設定登記などといった役所への手続きも速やかに済ませましょう。・引越し・ 各種手続きスケジュール 実際にマイホームの夢を実現するためには何から始め、どんな段取りが必要なのでしょうか。まずは一般的な家づくりのスケジュールを見てみましょう。家づくり知っておきたい基礎知識113 112土地選び 土地は、家族の暮らしが長年にわたって営まれる重要な場所。建築に大きな制約のある土地ではないのか、地盤はしっかりしているのか、自分たちのライフスタイルに合っているのか、街の雰囲気はどうか…焦らず納得いくまで探しましょう。

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